沖ノ島は福岡県宗像市に位置する神聖な島であり、その歴史的、文化的な重要性から2017年にユネスコの世界遺産に登録されました。
この島は古代から航海の安全を祈願する祭祀が行われてきた場所として知られ、その祭祀の伝統が現代まで継続されている点が評価されました。
また、島全体が神聖な場所とされており、一般の立ち入りが制限されていることから、ほぼ手つかずの自然環境と遺跡が保存されています。
本記事では、沖ノ島が世界遺産に登録された理由、その場所とアクセス方法、そしてその歴史的背景について詳しく探ります。
沖ノ島の具体的な場所とアクセス方法
沖ノ島の歴史と文化的背景
沖ノ島が世界遺産に登録された日とその背景
沖ノ島が世界遺産に選ばれた理由と評価基準の詳細

先生、沖ノ島が世界遺産に登録された理由について教えてください。この島は特別な場所ですよね?

そうですね、ユウ。沖ノ島は福岡県宗像市に位置する神聖な島で、その歴史的、文化的価値が高く評価されています。2017年にユネスコの世界遺産に登録されましたが、その理由は、古代から続く航海安全の祭祀が今も継承されている点と、自然環境や遺跡がほぼ手つかずで保存されている点にあります。

なるほど、でも沖ノ島は一般の人が入れないって聞いたことがあります。どうしてそんなに厳しいんですか?

良い質問ですね、ユウ。沖ノ島は全体が神聖な場所とされていて、一般の立ち入りが厳しく制限されているからなんです。そのおかげで、自然環境と遺跡がほぼ手つかずの状態で保たれています。また、出土品の多くが国宝に指定されていて、その文化財が沖ノ島の歴史的重要性を証明しています。
ユウ: そうなんですね!神聖な場所だからこそ、しっかりと守られているんですね。
福岡県の『「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群』は、日本の信仰にまつわる歴史と海外の文学が交流した手がかりにもなる宗教的な文化遺産です。
登録区分)文化遺産
登録年)2017年
登録基準)(2), (3)
国内の登録順位)No.21
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群は、文化遺産として登録された遺産群のほとんどが宗像大社(むなかたたいしゃ)の関連施設です。
古代日本で九州地方は、中国大陸や東南アジアと行き来する玄関口でもありました。
宗像大社の由来は、日本書紀とされていますが、細かな解釈によっては異国文化を表現している内容もあるとされ、九州地方で海外との交流があったことは記録や出土品から明らかになっています。
神宿る島の神様・宗教別に見る「神」の違い
神様の辞書的な意味は、「宗教信仰の対象として尊崇・畏怖されるもの」とされています。
神様の特徴は宗教ごとに異なりますが、「人間を超越した能力を持つ存在」「人間に幸福と災禍を降すと考えられる存在」という共通点もあります。
キリスト教やイスラム教のような唯一神を信仰する宗教では、神の英語表記は「God」とされ、多神教の神を表す「god,gods」もしくは「deity,deities」とは区別されています。
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群では、英語表記の「神」は「God」ではなく精霊や神聖な場所を表す「Sacred」が使われているのも、国際的な配慮がされています。
宗像大社を含む日本神道で信仰されている「神様」は、伝承や願いに応じて存在する「多神教」の神様です。
キリスト教やイスラム教こ「唯一神のGod」と区別するため、「神々しい・聖なる」という意味を持つ「Sacred」が使われたとされています。
神宿る島で祀られる日本神道の神
宗像大社の日本神道での役割は、宗像三女神の田心姫神(沖津宮)、湍津姫神(中津宮)、市杵島姫神(辺津宮)を祭る神社の総本山とされています。
日本最古の神社の一つとして、島全体が神聖な聖域とされて崇められていたことが日本書紀にも書かれています。
宗像大社は、祭られている神様毎に沖津宮(福岡県宗像市大島沖之島)、中津宮(福岡県宗像市大島)、辺津宮(福岡県宗像市田島)の3か所の本殿があります。
世界遺産として登録されているのは、福岡県宗像市の沖ノ島、大島、田島の宗像大社、福津市の「津屋崎古墳群」の4か所が登録されています。
仏教の神様とは?
日本では、日本神道と並び仏教が信仰されています。
仏教では、仏様の仏陀(Buddha)が礼拝の対象とされ、観音様やお地蔵様などの菩薩(enlightenment being)が仏陀の次に位が高いとされています。
仏教での神様は日本語では「天」、英語では「Deity」と表記されます。
仏教では、神様も私たち「人間と同じ世界」で暮らす存在の1つとされ、悟りと呼ばれる「人間と同じ世界」を超えた力を身に着けた仏陀とは区別されているためです。
沖ノ島が世界遺産に登録された日とその背景
沖ノ島は2017年7月9日にユネスコの世界遺産に正式に登録されました。この登録は、沖ノ島が持つ歴史的、文化的な価値が国際的に認められた結果です。沖ノ島は古代から宗像三女神が祀られ、航海の安全を祈願する祭祀の場として知られており、その伝統は現在まで受け継がれています。
登録の背景には、沖ノ島がほぼ手つかずの状態で保存されてきたことがあります。島全体が神聖視され、一般の立ち入りが厳しく制限されているため、自然環境と遺跡が良好な状態で維持されているのです。また、出土品の多くが国宝に指定されており、これらの文化財が沖ノ島の歴史的重要性を証明しています。これらの要素が評価され、世界遺産としての登録に至りました。

宗像大社辺津宮(福岡県宗像市)。伝統的な日本建築と豊かな緑が特徴
沖ノ島の世界遺産登録理由とその評価基準
沖ノ島が世界遺産に登録された理由は、その顕著な普遍的価値にあります。 ユネスコの評価基準のうち、沖ノ島は以下の2つの基準を満たしています:
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評価基準 (ii): ある期間や文化圏内で起きた重要な交流を示すもの。沖ノ島は、古代における日本と大陸との交流の中心地であり、数多くの出土品がそれを証明しています。
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評価基準 (iii): ある文化的伝統や文明の証拠を伝える無二の例。沖ノ島では、航海安全を祈願する祭祀が行われ、その伝統が現在まで継続されています。島全体が神聖視されているため、遺跡や自然が手つかずで保存されており、その歴史的価値が高く評価されました。
これらの基準を満たすことで、沖ノ島は世界遺産に登録され、国際的にその価値が認められることとなりました。
沖ノ島の場所とアクセス方法

先生、沖ノ島にはどうやって行けるんですか?やっぱり行くのは難しいんでしょうか?

沖ノ島は確かに訪れるのが難しい場所です。福岡県宗像市にある宗像大社の沖津宮がある神聖な島で、一般の人が上陸することはほぼ不可能なんです。でも、宗像市内にある宗像大社の辺津宮から大島へのフェリーが運航していて、大島にある沖津宮遥拝所から遠くにある沖ノ島を拝むことができますよ。

そうか、直接行けなくても、その神聖な姿を遠くからでも拝めるんですね。
沖ノ島の具体的な場所と、訪れるためのアクセス方法を紹介します。
沖ノ島は福岡県宗像市に位置し、宗像大社の沖津宮がある神聖な島です。島は玄界灘に浮かび、九州本土から約60キロメートル離れています。一般の人々が上陸することは厳しく制限されており、基本的には神職と限られた関係者のみが訪れることが許されています。
訪れるためには、まず福岡県宗像市内にある宗像大社の辺津宮を訪れるのが一般的です。ここから大島へのフェリーが運航しており、大島からは沖ノ島を遥拝するための場所である沖津宮遥拝所に向かいます。遥拝所では、沖ノ島を直接目にすることができ、遠くからその神聖な姿を拝むことができます。大島へのフェリーは、宗像市の神湊港から出発します。

宗像大社「本殿」
なぜ沖ノ島は世界遺産に選ばれたのか?
沖ノ島が世界遺産に選ばれた理由を深掘りし、その重要性を解説します。
沖ノ島が世界遺産に選ばれた主な理由は、その歴史的、文化的価値の高さにあります。沖ノ島は古代から航海安全を祈願する祭祀の場として機能しており、その祭祀の伝統が現在まで途切れることなく続いている点が評価されました。また、島全体が神聖視されているため、自然環境と遺跡が手つかずの状態で保存されています。
ユネスコの評価基準において、沖ノ島は以下の点で評価されました:
- 文化的伝統の継承:沖ノ島では、古代から続く航海安全の祭祀が現在まで継続され、その文化的伝統が生き続けています。
- 無二の証拠:島内で見つかる多くの出土品や遺跡は、日本と大陸との交流の歴史を物語る貴重な証拠となっています。これらは、ほぼ手つかずの状態で保存されていることから、その価値が一層際立っています。
このように、沖ノ島は歴史的、文化的な重要性が極めて高い遺産として認められ、世界遺産に登録されることとなりました。

宗像 沖ノ島(世界遺産)
沖ノ島の歴史と文化的背景

沖ノ島の歴史ってどんなものなんでしょう?なんでそんなに大切な場所なんですか?

沖ノ島の歴史は非常に古く、4世紀から9世紀にかけて、航海の安全を祈願する祭祀が行われていた場所なんです。日本と大陸との交流が盛んだった時代、この島は信仰の場として重要な役割を果たしていました。島内で発見された約8万点の奉献品がその証拠です。それらの出土品は日本と大陸の文化交流を物語り、沖ノ島が信仰の中心地であったことを示しています。

そんなに多くの歴史的な品々が見つかっているなんて、すごいですね!

そうですね。その出土品の多くが国宝に指定されており、沖ノ島の歴史的価値が一層際立っています。このように、沖ノ島は古代の信仰と自然の調和が保たれた特異な文化的景観を持つ場所として評価され、2017年に世界遺産に登録されたのです。

沖ノ島のことを知れば知るほど、その歴史と文化の重みを感じますね。
沖ノ島の歴史と、その文化的背景について詳しく説明します。
沖ノ島は古代日本において重要な信仰の場として知られています。4世紀から9世紀にかけて、沖ノ島は航海の安全を祈願する祭祀が行われていた場所でした。 当時、日本は大陸との交流が盛んであり、中国や朝鮮半島との間で頻繁に交易が行われていました。沖ノ島はその中継地として、また海の神々に対する祈りの場として重要な役割を果たしていました。
島内では、約8万点に及ぶ奉献品が発見されており、その多くが国宝に指定されています。これらの出土品は、日本と大陸との文化交流の証拠であり、当時の航海技術や宗教儀式の詳細を伝えています。特に、金製の指輪や銅鏡などの精巧な工芸品は、沖ノ島が信仰の中心地であったことを物語っています。
沖ノ島の祭祀は、宗像三女神への信仰に深く結びついています。宗像三女神は、天照大神と素戔嗚尊の誓約から生まれたとされる田心姫命(たごりひめのかみ)、湍津姫命(たぎつひめのかみ)、市杵島姫命(いちきしまひめのかみ)で、沖津宮、中津宮、辺津宮にそれぞれ祀られています。この信仰は現在も続いており、宗像大社を中心に多くの参拝者が訪れます。
沖ノ島は、その神聖な性質と厳格な入島制限により、自然環境と遺跡がほぼ手つかずの状態で保存されています。このため、沖ノ島は古代の信仰と自然の調和が保たれた特異な文化的景観を持つ場所として評価され、2017年にユネスコの世界遺産に登録されました。

海の道むなかた館 世界遺産ガイダンス施設
参照公式サイト: 宗像大社公式サイト
世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題
Q1.「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の説明として、正しいものはどれでしょうか。
1. 新潟県にある
2. 複合遺産である
3. 沖ノ島ではかつて国家的祭祀が行われていたと考えられる
4. ヨーロッパ人が沖ノ島に漂着して西欧文化を伝えた引用元: 世界遺産検定公式過去問集(p65,2018年3月世界遺産検定4級)
解説: 「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群は、福岡県にあり、沖ノ島では古代に国家的な祭祀が行われていたと考えられています。
Q2.文中の空欄に当てはまる語句として、正しいものはどれでしょうか。
「神宿る島」宗像・( )と関連遺産群は、島に対する日本固有の自然崇拝と文化交流の歴史を伝える遺産です。
1. 沖ノ島
2. 石垣島
3. 小豆島
4. 種子島引用元: 世界遺産検定公式過去問集(p84,2018年9月世界遺産検定4級)
Q3.文中の空欄に当てはまる、沖ノ島の特徴を表している語句として、正しいものはどれでしょうか。
福岡県の「( )宗像・沖ノ島と関連遺産群は世界遺産に登録されています。」
1. 花咲き誇る楽園
2. 神宿る島
3. 渡り鳥の楽園
4. 星降る島引用元: 世界遺産検定公式過去問集(p103,2018年12月世界遺産検定4級)
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群のお話はいかがでしたか?
世界遺産検定の過去問には、正解できましたでしょうか?
日本国内の文化遺産の中には、お寺や神社が含まれる遺産が少なくはありません。
さらに海外を見てみると、ヨーロッパの地域では宗教に関連する遺跡が世界遺産に数多く登録されています。
宗教という単語は、ここ数年の一部の宗教の報道でイメージが損なわれてしまっていることは確かです。
単語を置き換えて信仰という言葉を使わせていただくとしたら、私たちの心のなかには人を超えた存在や自然そのものを敬う気持ちがあることは海外と違いはないのではないでしょうか。
建築物の歴史だけではなく、信仰的な役割も合わせて覚えておきたいですよね。

先生、沖ノ島がなぜ世界遺産に選ばれたのか、もう一度まとめて教えてもらえますか?

もちろんです、ユウ。沖ノ島が世界遺産に選ばれた理由は、まずその歴史的、文化的価値の高さにあります。古代から続く航海安全の祭祀が今も続いている点、自然環境と遺跡が手つかずで保存されている点が評価されました。ユネスコの評価基準である「重要な文化的交流の証拠」や「文化的伝統の継続」を満たしており、国際的にその価値が認められたのです。

ありがとうございます、先生!これで沖ノ島の重要性がよく分かりました。