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白神山地の世界遺産登録はいつ?なぜ選ばれた理由とその範囲を解説

白神山地の美しい風景。広大で手付かずのブナの原生林が広がり、緑豊かな葉が茂る高いブナの木々が密集している。森の中を澄んだ小川が流れ、遠くには山々が連なる。木々の間から陽光が差し込み、自然の美しさと静寂が強調された、平和で静かな雰囲気。 日本の世界遺産

白神山地は、日本が誇る自然遺産の一つであり、その豊かな生態系と美しい景観から1993年に世界遺産に登録されました。この登録は、日本における初めての自然遺産としての重要なマイルストーンとなりました。白神山地は、青森県と秋田県にまたがる広大な山岳地域であり、特に世界最大規模のブナの原生林が高く評価されています。

この記事では、白神山地が世界遺産に登録された日とその理由、そして登録範囲について詳しく解説します。世界遺産に選ばれた背景には、古代から変わらぬ自然と文化が息づく白神山地の独自性と、その保護活動の重要性が深く関わっています。白神山地の多様な自然環境は、湿原や森林、滝、火山岩などが織りなす美しい風景で、訪れる者にまるで別世界にいるかのような神秘的な体験を提供してくれます。

 

白神山地が1993年に世界遺産に登録された経緯
世界遺産に選ばれた理由とその自然環境の価値
白神山地の具体的な範囲とアクセス方法
白神山地で保護されている希少な動植物とその保護活動

 

白神山地は自然遺産になぜ選ばれた理由とその範囲を解説

日本の世界遺産の中でも、自然遺産では国内初の白神山地は、世界一の規模のブナの原生林が高い評価を受けて登録されました。
古代から変わらぬ自然と文化の息吹が今も感じられる日本随一の豊かな自然遺産、それが白神山地です。
湿原、森林、滝、火山岩など多様な自然が織りなす風景は、まるで別世界のように神秘的で美しいものばかりです。

英語表記)Shirakami-Sanchi
登録区分)自然遺産
登録年)1993年
登録基準)(9)
国内の登録順位)No.4
面積)169.71km2(16.971ha)

白神山地の美しい風景。広大で手付かずのブナの原生林が広がり、緑豊かな葉が茂る高いブナの木々が密集している。森の中を澄んだ小川が流れ、遠くには山々が連なる。木々の間から陽光が差し込み、自然の美しさと静寂が強調された、平和で静かな雰囲気。

自然遺産の中でも、映画の世界に登場しそうなほど幻想的な風景が広がる白神山地。

東北北部の白神山地は、登録されている地域の約74%は青森県残りの南側が秋田県にまたがっています。

日本初の自然遺産に登録された1993年、貴重な動植物の生態系は「9.陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において重要な生物学的プロセスを示す顕著な見本であるも」として屋久島とともに高い評価を受けています。

白神山地

 

自然遺産の白神山地の希少な植物と動物

総面積2400,000km2(240000ha)とされる白神山地で、自然遺産に登録されているのは169.71km2(16.971ha)とブナの森の一帯に限られています。

なぜ、ブナ林が特に重要視されているのでしょうか?

 

白神山地を代表する植物ブナ

白神山地を代表するブナ(英:Japanese Beech)は、樹高30mにもなるブナ科ブナ属の樹木です。

雪が多く湿度の高い環境に極めて強く、日本海側の気候に適応した温帯性落葉広葉樹に分類されます。

ブナの分布は、北限は北海道の道南渡島半島、本州・四国・九州まで温帯気候の地域に広く分布しています。

中でも、東北地方の青森県から秋田県にまたがる白神山地には、世界最大のブナの原生林が広がっています。

秋に実るドングリに似た果実は、冬に気温が下がる環境に合わせて保存されやすく、森林に暮らす動物の大切な餌でもあります。

一方で、ブナの木材は重く腐りやすく曲がりやすいため、本格的に利用されるのは1980年以降になってからです。

それまでは薪や農業用の資材として大量に伐採され、太平洋戦争を境に木材として利用しやすいスギが大量に植えられることになります。

 

白神山地の希少な動物

また、白神山地には4000種の動物が生息していることが確認されています。

特に、キツツキの仲間のクマゲラ(英:Black woodpecker)はブナの木の中にいる幼虫を餌にしたり、木に空けた穴を巣穴にするなどブナとは切っても切れない関係の動物です。

また、国内希少野生動植物種に指定されているイヌワシとクマタカも世界的に希少とされる動物です。

 

自然遺産に選ばれる理由

自然遺産(英:natural heritage)は、生き物を含めた自然の風景、生き物を含めない地域で、保存的・学術的・普遍的な価値があるものと定められています。

風景の美しさや広さよりも、生き物や自然現象の希少さと、申請国の保護の状況が重視されています。

保護の状況は、Ia(厳正保護地域)、Ib(原生自然地域)、II(国立公園)、III(天然記念物)、IV(種と生息地管理地域)、V(景観保護地域)、VI(資源保護地域)と、どれにも分類できない8種類が登録対象になっており、白神山地は、Ib(原生自然地域)に分類されています。

専門家や地域をあげて始まった1980年代からの保護活動によって、1992年に自然環境保全法に基づく自然環境保全地域に指定されます。

翌年の1993年に世界遺産に登録が決まった理由には、こうした保護活動が大きく影響しているのは明らかです。

 

白神山地とSDGs

自然豊かな白神山地は、ブナの木やクマゲラなど自然の営みだけではなく、人の営みも続く地域です。

立ち入りが許可されている山々は、登山家に人気のスポットでもあり、狩猟生活で生計を立てているマタギの方が暮らしている地域でもあります。

一部の心ない登山者による自然破壊が問題視される一方で、自然保護のため狩猟地域の立ち入り制限はマタギの方々の暮らしに大きな影響を与え、現在でも議論が進んでいません。

近年ブームのSDGsには、社会が「持続可能」な目標を持つという目線で環境問題を捉えています。

自然保護か人の暮らしかの白黒だけの視点ではなく、私たちがどの程度続けることができるかの目線も必要になる問題です。

白神山地 世界遺産登録の詳細な経緯

白神山地は1993年12月、日本で初めての自然遺産としてユネスコの世界遺産に登録されました。この登録には、白神山地の豊かな自然環境とその保護活動が大きな役割を果たしました。以下では、白神山地が世界遺産に登録されるまでの詳細な経緯を説明します。

まず、白神山地が世界遺産に選ばれた理由の一つは、その広大なブナの原生林です。この地域は、氷河期以降の自然状態をほぼそのまま保っており、ブナ林の純度が非常に高いことが評価されました。また、白神山地は多様な動植物の生息地としても知られており、その生態系の重要性が世界的に認められました。

1980年代には、地域社会や専門家による積極的な保護活動が行われ、1992年には自然環境保全法に基づく自然環境保全地域に指定されました。このような背景があり、翌年の1993年に白神山地は世界遺産として登録されることとなりました。

この登録により、白神山地は世界的な自然保護の重要地域として認識され、多くの人々にその価値が広く知られるようになりました。

白神山地の詳細な地図。世界遺産の範囲や主要エリアが示されています。(AI生成のため正確なイラストではありません。イメージとして捉えてください)

白神山地の範囲とアクセス方法

白神山地は青森県と秋田県にまたがる広大な山岳地域で、その総面積は約13万ヘクタールに及びます。しかし、世界遺産に登録されているのはそのうちの約1万7千ヘクタール(169.7平方キロメートル)です。世界遺産登録地域は、中央部の核心地域と周辺の緩衝地域に分かれ、厳格な保護が行われています。

核心地域へのアクセスは制限されており、訪れる際には特別な手続きが必要です。例えば、青森県側の核心地域に入るには、事前に森林管理署に申請する必要があります。秋田県側の核心地域への入山は原則として禁止されています。

白神山地へのアクセス方法は以下の通りです:

  • 青森県側: 東北自動車道大鰐・弘前ICから県道28号線を利用して約70分、または弘前駅から県道28号線を経由して約1時間。
  • 秋田県側: 秋田自動車道能代南ICから国道101号線を利用して約60分、大館・能代空港から車で約90分。

これらのルートを利用して、白神山地の美しい自然を楽しむことができます。
公式サイト: 白神山地ビジターセンター

秋田県と青森県の地図。白神山地へのアクセスルートが示されています。(AI生成のため正確なイラストではありません。イメージとして捉えてください)

世界遺産に選ばれた理由:白神山地の自然環境

白神山地が世界遺産に選ばれた理由は、その豊かな自然環境と独自の生態系にあります。特に評価されたのは、以下の点です。

1. ブナの原生林: 白神山地には世界最大規模のブナの原生林が広がっています。このブナ林は、氷河期以降の自然状態をほぼそのまま保っており、その純度の高さが評価されました。ブナの木は、保水力が非常に高く、「緑のダム」とも呼ばれています。これにより、地域の水循環が安定し、多様な生物が生息する豊かな生態系が維持されています。

2. 多様な生態系: 白神山地は、多様な動植物の生息地として知られています。特に、希少な動植物が多く生息しており、その生態系の重要性が世界的に認められました。例えば、ブナ林に生息するクマゲラやイヌワシ、クマタカなどは、保護が必要な希少種として知られています。

3. 自然の保護活動: 白神山地は、1980年代から地域社会や専門家による積極的な保護活動が行われてきました。これにより、1992年には自然環境保全法に基づく自然環境保全地域に指定され、翌年の1993年に世界遺産として登録されました。これらの保護活動が、白神山地の自然環境の維持に大きく貢献しています。

白神山地の美しいブナ林。自然の美しさと静寂が感じられます。(AI生成のため正確なイラストではありません。イメージとして捉えてください)

白神山地の希少な動植物の紹介

白神山地には、約4000種もの動植物が生息しており、その多様性は非常に高いです。以下では、特に注目すべき希少な動植物を紹介します。

1. クマゲラ(Black Woodpecker): クマゲラは、日本国内で最も大きなキツツキの一種であり、ブナの木に生息しています。ブナの木に穴を開けて巣を作り、木の中の昆虫を食べることで知られています。クマゲラは、国の天然記念物に指定されており、その保護が重要視されています。

2. イヌワシ(Golden Eagle): イヌワシは、翼長が2メートルを超える大型のワシで、山岳地帯に生息しています。その個体数は非常に少なく、国の天然記念物および国内希少種に指定されています。

3. クマタカ(Mountain Hawk-Eagle): クマタカも大型の猛禽類であり、山地の森林に生息しています。個体数が少なく、国内希少種として保護されています。

4. ブナ(Japanese Beech): 白神山地を代表する樹木であるブナは、樹高30メートルにもなる落葉広葉樹です。ブナ林は、多くの動植物の生息地として重要な役割を果たしており、その保護が必要です。

白神山地に生息するクマゲラ。自然の中での生態を捉えた貴重な一枚です。(AI生成のため正確なイラストではありません。イメージとして捉えてください)

白神山地の保護活動と地域社会への影響

白神山地は、1980年代からの積極的な保護活動によって、その豊かな自然環境を維持しています。これらの活動は、白神山地の生態系を保護するだけでなく、地域社会にも大きな影響を与えています。

1. 保護活動の概要 白神山地の保護活動は、地域社会、政府、専門家の協力によって進められています。1980年代には、自然環境の重要性が認識され、地域住民や自然保護団体が連携して保護活動を開始しました。1992年には、自然環境保全法に基づく自然環境保全地域に指定され、1993年に世界遺産として登録されました。

2. 保護活動の具体例 保護活動の一環として、以下のような具体的な取り組みが行われています:

  • ブナ林の保護: ブナの原生林の伐採を禁止し、自然環境の保護を徹底しています。
  • 動植物の保護: 希少な動植物の生息地を保護し、その生態系の維持に努めています。
  • 環境教育: 地元の学校やコミュニティに対して環境教育プログラムを実施し、次世代に自然環境の重要性を伝えています。

3. 地域社会への影響 これらの保護活動は、地域社会にもさまざまな影響を与えています。以下にいくつかの具体例を挙げます:

  • 経済的影響: 観光業の発展により、地域経済が活性化しています。特に、エコツーリズムや自然観光が人気となっており、多くの観光客が白神山地を訪れています。
  • 文化的影響: 保護活動により、伝統的な狩猟文化であるマタギ文化が見直され、その重要性が再認識されています。地域の歴史や文化が保存される一方で、保護と生活のバランスを取る取り組みが進められています。
  • 環境意識の向上: 地域住民の環境意識が向上し、持続可能な生活を目指す動きが広がっています。これにより、地域全体の環境保護活動がさらに強化されています。

白神山地の保護活動は、自然環境の保護と地域社会の発展を両立させるための重要な取り組みとなっています。これからも持続可能な形で自然を守り、次世代に引き継いでいくことが求められます。

 

世界遺産検定公式過去問集(4級)からの例題

Q1.白神山地で見られる原生林は、主に何の樹木からなるでしょうか

  1. サクラ
  2. ヒノキ
  3. ナラ
  4. ブナ
答え:(4) ブナ

 

 

引用元:2018年3月,p72,世界遺産検定4級

 

Q2.白神山地に生息する絶滅危惧種の生物は何でしょうか

  1. ユキヒョウ
  2. クマゲラ
  3. ヒグマ
  4. ジャイアントパンダ
答え:(2) クマゲラ

 

 

引用元:2018年7月,p81,世界遺産検定4級

 

Q3.白神山地の特徴は何でしょうか

  1. 3000m級の山々が連なっている
  2. 活発に火山が噴火している
  3. ブナの原生林が広がっている
  4. 恐竜の化石が多数発掘されている
答え:(3) ブナの原生林が広がっている

 

引用元:2018年12月,p102,世界遺産検定4級

 

自然遺産は、風景の美しさや生き物の希少さだけではなく、保護の状況も重要視されています。
世界遺産に選ばれるためだけを目指すなら、とにかく立ち入り禁止区域の保護地域にしてしまえばいいという考えもあります。
ですが、自然の地域は古くから人の手が入っていたり、暮らしの一部になっている地域もあります。

これからの自然保護は、人の暮らしとどの程度具体的に続けられるのかのSDGsの視点も必要になるのは間違いのないことでしょう。

まとめ

  • 白神山地は1993年に世界遺産に登録された自然遺産である
  • 日本で初めての自然遺産として認定された
  • ブナの原生林が高く評価されている
  • 世界最大規模のブナ林が存在する
  • 登録範囲は青森県と秋田県にまたがる
  • 総面積は約13万ヘクタールである
  • 世界遺産登録範囲は約1万7千ヘクタールである
  • 核心地域と緩衝地域に分かれている
  • 核心地域への入山は制限されている
  • 保護活動は1980年代から始まった
  • 1992年に自然環境保全地域に指定された
  • ブナ林の保水力は非常に高い
  • 多様な希少動植物が生息している
  • 観光業の発展で地域経済が活性化している
  • 環境教育が地元で実施されている
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